センチネルワンの成長性は本物か?データから読み解く

まぬるん

投資歴4年。米国株を中心に株式投資を行う。株や経済関係の本は300冊以上読破。独自の「黒字転換期」を狙った投資法を確立。投資4年で元手を3倍にする。

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センチネルワンって名前は聞くけど、本当にこれから伸びるの?
そんな疑問を持つ投資家にとって、今がまさに注目のタイミングかもしれません。

AIによる自動対応型のセキュリティ製品を提供するセンチネルワンは、クラウド環境の普及やサイバー脅威の高まりを背景に成長を続けています。
最近では米政府向けの認証を取得するなど、公共市場への展開も視野に。さらに2026年Q1決算では、売上成長に加えてキャッシュフローの黒字化も達成しました。

本記事では、最新の決算データや技術・事業モデル・市場環境・経営戦略といった多角的な視点から、センチネルワンの「成長性は本物なのか?」を読み解きます。

※本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘を意図するものではありません。
投資に関する意思決定は、ご自身の判断と責任にてお願いいたします。

センチネルワンとはどんな企業か

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※TradingView提供のチャート

センチネルワン(SentinelOne)は、AIを活用した次世代セキュリティ企業として急成長しているアメリカ企業です。
2021年の上場以降、クラウド環境におけるエンドポイント保護を主軸に、世界中の企業や政府機関にセキュリティソリューションを提供しています。

AIと自動化で注目される新興セキュリティ企業

センチネルワンの中核製品「Singularity XDR」は、AIによる自律型エンドポイント保護を実現するプラットフォームです。
脅威の検出・分析・対応までを人手を介さず自動で行うことで、従来のセキュリティ製品よりも迅速かつ効率的に防御できる点が評価されています。

2025年には新たにPurple AIという生成AIツールを発表。
これはアナリストによる脅威対応を効率化するためのAIアシスタントであり、2026年第1四半期には連邦政府向けの高セキュリティ基準「FedRAMP High」認証を取得。
今後、米政府関連市場への展開にも期待が集まっています。

サブスクリプション型の収益構造と市場の評価

センチネルワンの売上は、100%サブスクリプション型の単一セグメントで構成されており、ARR(年換算定期収益)の拡大が安定的な成長を支えています。
2026年Q1には売上2.29億ドル(前年比+22.9%)と、市場予想をやや上回る成績を収めました。

また、同社はGartnerのエンドポイント保護分野で5年連続「リーダー」認定を受けており、製品の完成度や技術的優位性に対する市場からの信頼も厚いです。

テクノロジー、政府認証、市場評価といった複数の面で「伸びる土壌」が整っている企業、それがセンチネルワンです。

成長を支える4つの強み

センチネルワンの成長性を理解するには、「なぜこの企業が伸びているのか?」という土台を知ることが欠かせません。
ここでは、技術・事業モデル・市場環境・経営戦略の4つの軸から、センチネルワンが持つ成長のエンジンを紐解いていきます。

技術力:自律型AIとクラウド最適化

  • 「Singularity XDR」は、マルウェアやゼロデイ攻撃をAIが自律的に検出・対応することで、人手不足の現場でも対応可能。
  • Purple AIの実装により、生成AIを活用したアナリスト支援を実現。他社に先行して“AI活用の深さ”を武器にしています。
  • クラウド環境への最適化が進んでおり、オンプレミスからの移行需要も取り込みやすい。

事業モデル:高NRRと安定収益を生むサブスクリプション型

  • 売上は100%がサブスクリプション収益で構成されており、解約率が低く、積み上げ型のビジネス
  • 既存顧客からのアップセルも順調で、NRR(既存顧客売上維持率)120%以上という高い数字が成長の土台に。
  • 顧客単価が上昇していることから、収益性の改善余地も大きい。

市場環境:クラウド化とセキュリティニーズの拡大

  • マイクロソフトのセキュリティ侵害問題などを背景に、エンドポイント保護への需要が再燃
  • リモートワークやゼロトラスト導入企業の増加により、クラウドベースのセキュリティ対策が必須となりつつある。
  • クラウドセキュリティ分野は年率2桁成長が続く見通しで、センチネルワンにとっては強い追い風。

経営戦略:黒字化とM&Aで拡大フェーズへ

  • 2026年Q1では営業利益こそマイナス(-8,231万ドル)ながら、営業キャッシュフローは+5,227万ドル、FCFも+4,542万ドルと健全化が進行。
  • 売上成長とコスト管理の両立により、黒字化が現実的な目標圏内に
  • 中堅プレイヤーとの連携・買収を視野に入れた戦略で、シェア拡大のスピードも加速

これらの強みが組み合わさることで、センチネルワンは「黒字化目前×成長トレンド真っ只中」という、投資妙味の高い局面にあるといえます。

直近の決算から見る成長トレンド

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センチネルワンの成長性が“言葉だけでなく数字でも示されているか”を見極めるには、やはり最新の決算が重要な判断材料になります。
ここでは2026年第1四半期(2025年4〜6月期)の決算をもとに、実際の成長トレンドを読み解いていきます。

売上・ARR・NRRの推移

  • 売上高は**2.29億ドル(前年比+22.9%)**と、前年をしっかり上回りつつ、市場予想(2.284億ドル)も小幅に超過。
  • サブスクリプション比率100%という構造により、収益の見通しが立てやすい点も強み
  • NRR(既存顧客売上維持率)は120%以上を維持しており、アップセルや契約継続の強さが裏付けられています。

営業損益とキャッシュフローの改善

  • 営業利益は**-8,231万ドル**と赤字ではあるものの、前年と比べて赤字幅の縮小が進んでいます。
  • 一方、キャッシュフローは大きく改善しており、
    • 営業キャッシュフロー:+5,227万ドル(前年比+24.4%)
    • フリーキャッシュフロー(FCF):+4,542万ドル(前年比+34.8%)
  • 特にFCFがプラスに転じている点は、本業の収益性が徐々に確立されつつある証拠です。

ガイダンスと今後の注目ポイント

  • 同社は今後も20%台の売上成長率を維持する見込みで、営業損益の改善と並行して黒字化を狙っています。
  • アナリストの予測では、2026年後半または2027年前半の黒字転換が視野に入っており、株価にも織り込まれ始めています。
  • 政府関連市場への進出や、クラウドセキュリティ統合製品の展開が進めば、さらに評価が高まる可能性も。

数字から見ても、センチネルワンは「成長性+改善傾向」がハッキリと読み取れるフェーズに入っています。

競合と比べてどうなのか?

センチネルワン単体で成長性が見えていても、やはり競合と比較して「どれだけ優位なのか」「どこが違うのか」が気になりますよね。
ここでは代表的な競合企業であるクラウドストライクパロアルトネットワークスと比較しながら、センチネルワンのポジションを分析します。

クラウドストライク・パロアルトとの違い

項目センチネルワンクラウドストライクパロアルトネットワークス
主力製品Singularity XDR(AI自動対応型)Falcon(総合セキュリティ)Cortex/Prisma/Firewall
売上規模(2026Q1)約2.29億ドル(前年比+22.9%)約8億ドル超(前年+30%超)約20億ドル超(成長率は鈍化傾向)
キャッシュフロー改善度FCF黒字化済・営業CFもプラスへ安定して黒字・営業利益率15%前後利益率20%以上・成熟企業
差別化ポイントAI完全自動対応/軽量導入/Purple AI実績とブランド力/大手顧客多総合力/幅広いセキュリティ網
企業フェーズ黒字化目前の成長フェーズ成熟した高成長グロース株安定した大型セキュリティ企業
  • クラウドストライクは知名度や実績でリードしており、特に大企業向けの導入実績が多い。
  • パロアルトネットワークスは、ネットワークセキュリティ全般を網羅する「セキュリティの総合商社」とも言える存在。
  • センチネルワンは、後発ながら技術革新と効率性に特化し、軽量で導入しやすい点が強み。中堅〜中小企業への浸透や海外展開で差別化を狙っています。

後発ならではのポジションと可能性

  • コスト構造が軽く、アップセル率が高いため、限られた顧客でも効率よく売上を伸ばせるモデル。
  • AI活用の深さはクラウドストライクにも匹敵し、Purple AIの導入は差別化の一手。
  • 政府向けの「FedRAMP High」認証取得により、今後のB2G(対政府)案件にも進出可能。

後発だからこそ、最新技術に最適化された「新しいセキュリティ企業」として、成長余地の大きさではむしろ有利とも言えます。

今後の成長余地はどこにある?

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すでに高い技術評価を受けているセンチネルワンですが、真に注目すべきは「これからどこまで伸びるのか」という点です。
このセクションでは、将来的な拡大の可能性について整理してみましょう。

中小企業・海外市場での拡大

  • 現在は主に北米市場を中心としていますが、ヨーロッパ・アジアへの進出余地は大きいです。
  • 他社よりも導入コストが低く、クラウド環境にも適応しやすいため、中小企業にも採用されやすい設計。
  • 特に新興国では「セキュリティ対策の最初の一歩」として、軽量かつ高性能なツールが求められており、相性が良いとされています。

製品拡充による売上増加

  • Purple AIの導入により、人材不足の企業でもSOC(セキュリティ運用)を効率化できる環境が整いつつあります。
  • クラウドセキュリティスイートの強化により、従来のエンドポイント保護からより広範な攻撃対応へと守備範囲が拡大中
  • これにより、1顧客あたりの平均売上(ARPU)が伸びることが見込まれます。

黒字化と評価の転換点

  • キャッシュフローの黒字化はすでに達成済みで、営業利益の黒字化も視野に入りつつあります。
  • 黒字化により「赤字=リスク」という見方が払拭され、株価の再評価が起こる可能性があります。
  • 実際、アナリストの目標株価中央値は24.04ドルと、現在の水準よりも高い評価が多数派となっています。

センチネルワンは、技術・市場環境・戦略の3拍子が揃った「伸びしろが明確な銘柄」として、今後の展開が非常に楽しみな企業です。

まとめ

センチネルワンは、AIと自動化技術を武器に急成長を遂げているサイバーセキュリティ企業です。
Purple AIによる分析支援機能の強化や、クラウドセキュリティ領域への展開、政府認証の取得など、技術面・市場面の両方で大きな前進を見せています。

2026年Q1決算では売上成長が続きつつ、キャッシュフローも黒字化。
黒字転換が視野に入ったことで、企業価値の再評価も現実味を帯びてきました。
競合に比べて後発ではあるものの、その分「軽量・柔軟・AI特化」という明確な差別化ポイントがあり、今後の拡大余地は非常に大きいといえます。

センチネルワンは、単なる“注目株”にとどまらず、未来の主役候補としてのポテンシャルを持つ1社です。

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