
全固体電池の実用化に向けて、世界中の企業が開発競争を繰り広げる中、最も注目されている企業のひとつがクァンタムスケープ(QuantumScape)です。
フォルクスワーゲンと提携し、次世代バッテリーの鍵を握るといわれる技術を武器に、多くの投資家の関心を集めています。
ただし、クァンタムスケープはまだ製品を販売しておらず、赤字のベンチャー企業という側面もあります。
将来性が高い一方で、投資には慎重な判断が求められる銘柄でもあります。
この記事では、実際に私自身が投資している経験をもとに、
- クァンタムスケープの将来性と財務状況
- ライバル企業との違い
- 日本からの買い方や証券会社の選び方
などを、関連記事を交えながらわかりやすくまとめました。
「この株、気になるけどよくわからない…」という方の参考になれば幸いです。
クァンタムスケープは全固体電池の開発企業

クァンタムスケープ(ティッカーシンボル:QS)は、次世代の電気自動車(EV)に搭載される「全固体電池」の開発を進めるアメリカのスタートアップ企業です。
2009年に設立され、2020年にナスダックに上場しました。
🔋 クァンタムスケープの全固体電池
従来のリチウムイオン電池と比べて、同社が開発する全固体電池(Solid-State Battery)には以下のような特徴があります。
- エネルギー密度が高い(=より長い航続距離)
- 急速充電が可能(15分未満で80%充電)
- 発火リスクが低い(液体電解質を使わないため)
特に注目されているのが、プロトタイプ段階の「QSE-5セル」。
エネルギー密度は800Wh/Lを超えるとされ、これまでのEVバッテリーを大きく上回る性能です。
🤝 フォルクスワーゲンとの提携
技術開発だけでなく、クァンタムスケープは自動車業界最大手の一角・フォルクスワーゲン(VW)と提携していることでも知られています。
- VWの子会社「PowerCo」と共同で産業化を推進中
- 将来的にはライセンス契約による収益化も視野に入れている
資金面でもVWから多額の出資を受けており、技術+資本+生産体制の三拍子が揃っている点は、他のスタートアップとは一線を画しています。
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競合企業と比較して見える強み・弱み

クァンタムスケープが開発を進める全固体電池の分野は、トヨタ・ソリッドパワー・CATLなど、世界の名だたる企業がしのぎを削る“激戦区”です。
各社の方向性を比較することで、クァンタムスケープの立ち位置や差別化ポイントがより明確になります。
📊 主な競合企業との比較
企業名 | 技術の方向性 | 商業化の進捗 | 強み |
---|---|---|---|
クァンタムスケープ | 全固体電池 | QSE-5セルのBサンプル出荷 | 高エネルギー密度+VWとの連携 |
トヨタ自動車 | ハイブリッド対応型 | 2027年実用化を目指す | 自社開発・量産ノウハウ・資金力 |
ソリッドパワー | 分業型(セル製造は委託) | ライセンス提供開始 | フォード・BMWと連携、柔軟な展開 |
CATL | セミソリッド→全固体 | 半固体電池は商用化済 | 圧倒的な量産力と世界市場でのシェア |
✅ クァンタムスケープの強み
- 技術的に先進的(リチウム金属+セラミック電解質)
- パートナー企業が大規模(VW)で、商業化までの道が見えやすい
- 今後はライセンス契約による収益モデルが期待されている
⚠ 弱み・リスク要素
- 製造インフラはまだ未整備(トヨタやCATLと比べるとスケール面で弱い)
- 売上はゼロ、赤字が継続中
- 市場投入の時期は未定で、投資タイミングに迷いやすい
技術だけを見ればクァンタムスケープは非常に魅力的な企業ですが、「どの企業が一歩先に“量産+実用化”へ進めるか」が今後の成長を左右します。
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株の買い方は?日本からの購入ステップ

クァンタムスケープ(ティッカー:QS)は、アメリカ・ナスダック市場に上場している米国株です。
日本在住の個人投資家でも、国内のネット証券を通じて簡単に購入可能です。
ここでは、初心者でも迷わないよう、購入までの流れを3ステップで紹介します。
🪪 Step 1:米国株対応の証券口座を開設
まずは、米国株を取り扱っている証券会社で口座を作る必要があります。
代表的なのは以下の3社です:
- SBI証券(初心者でも使いやすく、円貨決済にも対応)
- 楽天証券(楽天ポイント投資やわかりやすいUIが魅力)
- moomoo証券(米国株に特化。リアルタイムツールも充実)
口座開設はスマホでも完結可能。最短で翌営業日から取引を始められます。
💱 Step 2:ドルを用意(または円貨決済を選択)
米国株は基本的に米ドル建てで取引します。
証券会社によっては、以下の方法が選べます:
- 為替レートに応じて円→ドルに両替し、そのドルで買う
- 円貨決済に対応した証券会社を選び、そのまま日本円で購入する
たとえば、SBI証券は円貨決済が可能。楽天証券はドル転が必要です。
為替差損益も考慮して、どちらが自分に合うかを選びましょう。
📈 Step 3:銘柄検索 → 注文
証券口座にログインしたら、以下の流れで注文できます。
- ティッカーコード「QS」で検索
- 株数を入力
- 注文方法を選択(例:成行注文・指値注文)
- 注文を確定して完了!
操作はスマホアプリからでも簡単です。まずは少額から試すのが安心です。
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投資判断に役立つポイントまとめ

クァンタムスケープ株に投資するかどうかを検討するうえで、抑えておきたい注目ポイントを4つにまとめました。
将来性とリスクの両方を理解し、自分の投資スタンスに合っているかを見極めることが大切です。
財務面:赤字継続でも資金は潤沢
クァンタムスケープは2025年第1四半期時点でも純損失を計上していますが、約8億6,000万ドルの現金・有価証券を保有し、2028年後半までの運転資金を確保しているとしています。
急激な資金枯渇リスクは低く、中長期の技術開発を見据えた体力はあるといえるでしょう。
技術面:エネルギー密度と充電性能はトップクラス
Bサンプルとして出荷されたQSE-5セルは、エネルギー密度800Wh/L超、急速充電15分未満という高性能を実現。
競合と比べても技術水準は非常に高く、今後の信頼性向上や量産化の進捗が鍵になります。
提携面:PowerCoとの協業が進展中
VWのバッテリー子会社「PowerCo」との共同開発は、技術の商業化に向けた大きな一歩。
今後はライセンスモデルへの移行も計画されており、自社での大規模工場建設を回避しつつ収益化を目指せる点は魅力的です。
私の投資スタンス:中長期目線で保有中
私自身もクァンタムスケープに投資しています。
実用化にはまだ時間がかかると感じており、短期での値動きを狙うよりも、数年単位での成長を見据えて少額からコツコツ保有しています。
価格の上下に一喜一憂せず、開発状況や提携の進捗を見守る姿勢でいます。
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まとめ|未来に投資するなら今、という視点も

クァンタムスケープは、全固体電池という「次の主役」になりうる技術で注目を集めています。
ただし、現在はまだ赤字が続く開発段階の企業であり、将来性とリスクが表裏一体であることは間違いありません。
競合企業の存在や商業化までの道のりは簡単ではないものの、
- 技術力は業界でもトップクラス
- フォルクスワーゲンとの提携により開発基盤が安定
- 財務的にも当面の資金繰りは問題なし
といったポイントは、長期投資の観点から見れば魅力的です。
私自身も「未来に投資する」というスタンスでクァンタムスケープ株を保有し続けています。
全固体電池が実用化されたとき、どの企業が先頭を走っているのか。
もしその企業がクァンタムスケープであったなら、いまの一歩が将来大きなリターンになるかもしれません。
これから投資を考えている方は、ぜひ関連記事もあわせてチェックし、自分なりの判断材料を集めてみてください。
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