プラグパワーの黒字転換はいつ?今後の見通しを解説

まぬるん

投資歴4年。米国株を中心に株式投資を行う。株や経済関係の本は300冊以上読破。独自の「黒字転換期」を狙った投資法を確立。投資4年で元手を3倍にする。

「プラグパワーっていつ黒字になるの?」そんな疑問を持つ投資家は少なくありません。
アメリカの水素エネルギーの未来を担う存在として注目されながらも、赤字が続く現状に不安を感じている方も多いでしょう。

この記事では、プラグパワーの現状から、2025年以降に期待される転換点、政府の補助金やHYDR ETFでの評価まで、今後の見通しを分かりやすく解説します。
今後の判断材料としてぜひご覧ください。

※本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘を意図するものではありません。
投資に関する意思決定は、ご自身の判断と責任にてお願いいたします。

プラグパワーとは?赤字が続く理由

水素エネルギーのパイオニア

プラグパワー(Plug Power)は、アメリカ・ニューヨーク州に本社を置く水素燃料電池の開発・製造企業です。
特にフォークリフトや倉庫などで使われる燃料電池の分野で先行し、Amazonやウォルマートといった大手企業にも導入実績があります。

近年は、水素の製造から供給、使用までを一貫して行う「グリーン水素エコシステム」の構築を目指しており、水素関連のリーダー企業として注目を集めています。

しかし、売上は増加傾向にある一方で、赤字が続いているのも事実です。

なぜ黒字化が難しいのか?事業構造の課題

プラグパワーが黒字化に苦しむ最大の要因は「成長のための先行投資」と「水素供給コストの高さ」です。

同社は今まさに、水素ステーションの建設や電解装置(グリーン水素の生成装置)など、インフラ整備に莫大な資金を投じています。
未来への投資としては妥当ですが、短期的にはコストばかりがかさみ、赤字が積み上がってしまうのです。

さらに、今のところ水素自体の製造コストも高く、発電効率も十分とは言えません。
これが販売価格の引き上げにつながり、価格競争力を欠く原因となっています。

とはいえ、こうした課題はプラグパワーに限らず、業界全体が抱える問題でもあります。
だからこそ、今後の成長と黒字転換には、技術進化やインフラ整備の進展が欠かせないのです。

黒字転換の見通しは?経営戦略と市場動向

政府の補助金政策とインフラ整備

プラグパワーが黒字化を目指すうえで、追い風となっているのがアメリカ政府の補助金政策です。
特にバイデン政権の「インフレ抑制法(IRA)」では、水素産業も含まれる形で再生可能エネルギーに対する大規模支援が打ち出されています。

プラグパワーはこの枠組みを活用し、ジョージア州の水素プラントに関連して約3,000万ドルのエネルギー貯蔵投資税額控除(ITC)を取得済み。
今後もルイジアナ州や他の施設での非希釈な資金調達を進める予定です。

さらに、2025年第1四半期にはルイジアナ州セントガブリエルの水素液化プラント(日量15トン)が試運転を開始。
これにより同社の全米での水素生産能力は日量40トン規模となり、Amazonやウォルマートへの安定供給体制が現実のものになりつつあります。

コスト削減・収益化に向けた取り組み

プラグパワーの黒字転換戦略は、「水素の自社製造」「設備の量産化」「グローバルな展開」に加えて、2025年第1四半期から始動した「Project Quantum Leap」という大規模コスト削減イニシアチブがカギを握ります。

このプロジェクトは年間2億ドル以上の節約を目標としており、在庫・設備投資の最適化や戦略的な価格設定を通じて、営業キャッシュフローの改善を図ります。
実際、同四半期の営業・投資活動によるキャッシュ流出は前年同期から約1億3,000万ドル縮小。
粗利益率の損失も前年の-132%から-55%へと大幅改善しています。

特筆すべきは電解槽事業の急成長で、収益が前年比で575%増。
オーストラリアではグリーン水素→アンモニアへの3GW契約をAllied Green Ammoniaと締結するなど、世界の脱炭素化トレンドに乗って飛躍しています。

また、2025年第1四半期にはヨーロッパ拠点でもSTEFとの提携により848台以上の燃料電池ユニットを導入するなど、グローバル展開にも注力中です。

こうした決算データと事業進展を踏まえると、プラグパワーは2025年〜2026年の黒字化に向けて、明確な実行フェーズに入りつつあると言えるでしょう。

プラグパワーはHYDRの主力銘柄

なぜETFで注目されるのか?組入率トップの意味

プラグパワーは、水素関連ETF「Defiance Next Gen H2 ETF(通称:HYDR)」において組入率1位の銘柄として選ばれています(※2025年時点)。
このETFは、水素経済に関わるグローバル企業30社以上で構成されており、水素分野の成長に賭ける投資家から高い関心を集めています。

実際、2025年第1四半期決算では電解槽収益が前年比575%増と急伸しており、HYDRが組入比率を高めるのも納得の成長ぶりです。

言い換えれば、プラグパワーは「水素業界全体の行方を象徴する存在」として、市場の注目を一身に集めているのです。

他の主要構成銘柄との比較

HYDRにはプラグパワー以外にも、有力な水素関連企業が組み込まれています。たとえば:

企業名国籍主な事業領域
Bloom Energy米国固体酸化物型燃料電池(SOFC)
Ballard Powerカナダ燃料電池スタック製造
ITM Power英国電解装置の製造
NEL ASAノルウェー水素供給システム

このように、世界各国の水素テック企業が名を連ねていますが、プラグパワーは「水素をつくる→運ぶ→使う」まで一貫したエコシステムを構築しており、垂直統合型モデルという点で他社と一線を画しています。

つまり、黒字転換できれば真っ先に業界の牽引役となるポテンシャルがある――それがHYDRにおける高評価の理由でもあるのです。

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今後の株価と投資判断はどうすべき?

黒字転換のタイミング予測

プラグパワーは2024年まで赤字が続き、「いつ黒字化するのか?」という問いは多くの投資家にとって大きな関心事です。
CEOアンディ・マーシュ氏は、「2025年から2026年にかけて黒字化を目指す」と明言しており、2025年第1四半期の決算内容を見ると、その可能性に現実味が出てきました。

まず、売上は前年同期の1億2,030万ドルから1億3,370万ドルに増加。
粗利益率の損失も前年の-132%から-55%へと改善しています。
これは社内サプライチェーンの最適化、価格戦略の見直し、水素プラットフォームの運用が進んだ成果です。

さらに、営業・投資活動によるキャッシュフローの流出が前年の約2億8,800万ドルから1億5,200万ドルに縮小。
加えて、年間2億ドル以上のコスト削減を見込む「Project Quantum Leap」も始動し、キャッシュ管理や投資効率においても転換期を迎えています。

プラグパワーは第2四半期の売上を1億4,000万〜1億8,000万ドルと予測しており、通期での粗利益率・運転資本の改善も期待されています。
2025年は黒字転換に向けた試金石の年になることは間違いありません。

私が保有を続ける理由と注意点

私はプラグパワー株を長期で保有しています。
含み損の時期も経験しましたが、それでも手放さないのは、以下のような理由があるからです。

私が保有を続ける理由:

  • GenEco電解槽や燃料電池など、Plugは「製造・供給・使用」すべてを担う垂直統合モデルで優位性がある
  • 2025年第1四半期に日量15トンの水素プラントを試運転、米国内生産体制が本格化
  • Project Quantum Leapによる大規模なコスト削減がスタート
  • 希薄化リスクも限定的で、今会計年度の追加株式発行予定はなしと明言

一方で注意点もあります:

  • 業界全体の成長が想定より遅れれば、黒字化も後ろ倒しのリスクあり
  • 水素価格や原材料コストの影響で、短期的な業績にブレが出る可能性
  • キャッシュフローは改善傾向にあるが、安定化にはもう少し時間が必要

したがって、短期的な値上がりを狙う投資より、長期目線で「水素インフラを担う中核企業」としての成長を信じられるかが鍵になります。

まとめ

水素エネルギーの未来を背負う存在として注目されるプラグパワー。
しかし現実は、赤字経営が続き、株価も不安定。
そんな中で「本当に黒字化できるのか?」という問いは、多くの投資家の心に突き刺さります。

とはいえ、政府の補助金支援やインフラ整備の進展、さらにはHYDR ETFの主力銘柄としての期待など、明るい材料も確実に増えてきています。
企業としても、コスト削減と新規市場開拓による収益化を真剣に進めており、2025年以降に黒字化の可能性が現実味を帯びてきたのは事実です。

私はプラグパワーは黒字化を達成し、株価も数倍に跳ね上がると信じて、しばらく保有するつもりです。

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