黒字化は時間の問題?コアウィーブの裏事情

まぬるん

投資歴4年。米国株を中心に株式投資を行う。株や経済関係の本は300冊以上読破。独自の「黒字転換期」を狙った投資法を確立。投資4年で元手を3倍にする。

「コアウィーブの黒字化はいつになるのだろう?」と気になっている方へ。
AIインフラを支える注目企業コアウィーブは、上場後も赤字が続いているものの、その成長スピードと戦略から見て、黒字化はもはや“時間の問題”と言える段階に来ています。

本記事では、最新の決算情報やマイクロソフト・エヌビディアとの関係、大型買収の影響まで、投資判断に役立つ情報をやさしく解説します。

コアウィーブって何者?上場後の現状まとめ

NASDAQ上場〜株価はどこまで上昇したか

コアウィーブ(CoreWeave)は、2024年にNASDAQへ上場したAI向けクラウドインフラ企業です。
生成AIや機械学習に特化した高性能GPUクラウドを提供することで、注目を集めています。

上場時点での時価総額は約160億ドルとされており、エヌビディアとの提携を背景に、AIバブルの波に乗って急騰。
特に注目を浴びたのは、エヌビディアのGB200 Grace Blackwell搭載GPUを最速で導入した企業のひとつである点です。

株価は一時的に調整を挟みつつも、AI関連のニュースと連動して再浮上する局面が見られるなど、ボラティリティの高い動きを見せています。

強力なエヌビディア・マイクロソフトとのパートナーシップ

コアウィーブの成長を支えているのが、エヌビディアとマイクロソフトとの深いパートナー関係です。

  • エヌビディアとの関係性
    エヌビディアは初期からコアウィーブに出資しており、GPU供給でも優遇されています。
    特にAI開発向けの最先端GPUを安定的に供給できることは、競合との差別化につながっています。
  • マイクロソフトとの契約
    2024年にはマイクロソフト・アジュールとの間で、数十億ドル規模の契約を結んだと報じられました。
    これにより、大規模AIトレーニング需要を取り込むことに成功しています。

このように、大手との信頼関係をベースに急成長しているのが、現在のコアウィーブの立ち位置です。

なぜコアウィーブはエヌビディアに選ばれたのか?

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データセンターの拡充とGB200導入実績

2025年に入り、コアウィーブは米国内のデータセンターを急速に拡大しています。

  • 拠点数:全米で10以上の拠点に展開
  • 電力規模:累計で5GW以上の供給を目指しているとされる

特に注目されたのは、エヌビディアの最新GPU「GB200 Grace Blackwell」をいち早く導入した点です。
これにより、生成AIの学習速度・コスト効率が大幅に向上し、大規模AI企業からの需要もさらに増加することが見込まれます。

GPU供給の面で有利な立場を保ちながら、物理インフラでも着実に基盤を築きつつある――これが今のコアウィーブの実力です。

赤字でも勢いは止まらない?黒字化の目安とは

最新決算(2025年Q1)で見える収益構造

CoreWeaveは2025年現在、急成長を続ける一方で、依然として赤字状態が続いています。
しかし、その赤字には「成長のための先行投資」という明確な理由があります。

例えば、2025年Q1の決算では以下のような特徴が見られました。

項目内容
売上高前年同期比で+400%以上の成長
粗利益率改善傾向にあるが依然として低水準
純損失データセンター関連コストやGPU調達費が重荷。前年同期比-143%
キャッシュフロー新株発行や資金調達に依存して黒字維持中

つまり、「売上は伸びているが、コストも同時に急拡大しており、まだ利益が追いついていない」という状況です。

GPU調達や減価償却の影響を整理

赤字の主な要因となっているのが、GPU調達費用とデータセンター建設にかかる減価償却費です。

  • GPUはエヌビディアからの優遇供給があるものの、単価は高額
  • 建設コストも短期的には収益を圧迫する
  • エネルギーコストや冷却設備への設備投資も負担に

とはいえ、これらは「一時的なコスト」であり、ある程度の稼働率と顧客数の確保ができれば黒字化可能な構造です。

今後の収益改善には何が鍵?

コアウィーブが黒字化に至るための鍵は、大きく以下の3点です。

  • データセンター稼働率の最適化
  • 大口顧客の獲得と長期契約化
  • 運営効率の改善(自動化・AI最適化)

これらの戦略がうまくいけば、2026年中の黒字化も視野に入ると予測されます。

注目の大型買収「コア・サイエンティフィック統合」で黒字化へ前進

買収内容・スケール感(約90億ドル)

2025年、コアウィーブはAIインフラの拡張を目的として、仮想通貨マイニング大手「コア・サイエンティフィック」を約90億ドルで買収する方針を発表しました。

この買収の背景には、次のような思惑があります。

  • コア・サイエンティフィックが保有する大規模な電力供給能力
  • 米国南部に集中する安価な電力ネットワーク
  • 既存のマイニング設備をAI向けデータセンターに転用可能

これにより、コアウィーブは自社のAIクラウド基盤を一気に拡大できるというわけです。

コスト圧縮と債務圧力の軽減効果

この買収により、コアウィーブにはいくつかのコスト的メリットが生まれます。

  • 設備の共通利用により初期投資の圧縮が可能
  • 電力コストの抑制(1kWhあたり3〜5セント)
  • 既存資産を活用することで減価償却の負担も軽減

また、コア・サイエンティフィック側は破産手続きから再建中の企業であり、再編の一環としてコアウィーブの事業と統合されることで財務的な相乗効果が期待されています。

売上・利益にどう影響するか?

この統合が完了すれば、コアウィーブの売上基盤は一段と広がると見られています。

  • GPUクラウド需要の受け皿となる物理インフラが拡充
  • エンタープライズ顧客への高性能クラウドサービス提供が加速
  • 規模の経済によって1案件あたりの利益率が改善

仮にこの買収が予定どおり完了し、設備の稼働が進めば、黒字化は「2026年にも現実的」と見るアナリストもいます。

投資家目線でここに注意!リスクと株価シナリオ

顧客集中リスク(マイクロソフト依存の実態)

コアウィーブは急成長中とはいえ、収益源が一部の大口顧客に偏っている点はリスクです。特に、

  • マイクロソフトとの契約に大きく依存
  • Azure向けのAIインフラ供給が全体の収益を左右
  • 顧客の戦略変更や契約終了が即業績に響く

という構造になっています。

増資・株式希薄化の影響

コアウィーブは巨額の設備投資を続けており、資金調達のための増資(新株発行)が繰り返される可能性もあります。

  • 買収資金や設備費用でキャッシュフローは常に逼迫気味
  • 2024年以降、数回にわたってプレIPO・ポストIPOの増資実施
  • 株式数が増えるたびに、既存株主の持ち分は薄まる

長期的な成長を信じて保有する場合、一時的な株価の下落や調整も覚悟する必要があります。

競合との比較とバリュエーション

AIインフラ市場は、コアウィーブだけが主役ではありません。以下のような競合も勢いを増しています。

企業名特徴
ラムダAI向けGPUクラウド提供、独自OSとソフト開発も強み。エヌビディアから投資
セレブラスAI専用チップと独自ハードウェアの開発で差別化
ヴォレントマルチクラウド対応のAI推論基盤で成長中
※全て非上場企業(2025年7月現在)

こうした企業と比較して、時価総額や利益率が正当化できるか?という点も、投資判断のポイントとなります。

まとめ|黒字化は「時間の問題」と言えるか?

コアウィーブは、上場後も赤字が続いているとはいえ、成長スピード・提携関係・インフラ拡張のどれを見ても「時間の問題」と言えるほどに黒字化に近づいています。 

特に、コア・サイエンティフィックの買収やマイクロソフトとの継続契約など、今後の収益基盤はますます安定化する見込みです。
もちろん、投資にはリスクもつきものですが、「成長を先取りしたい」という投資家にとって、コアウィーブは注目すべき存在であることは間違いありません。

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