ぼくはパランティア株を売った|理由と今後の展望

まぬるん

投資歴4年。米国株を中心に株式投資を行う。株や経済関係の本は300冊以上読破。独自の「黒字転換期」を狙った投資法を確立。投資4年で元手を3倍にする。

パランティア株はAIと政府案件を軸に成長を続けていますが、2025年6月現在、株価は高値圏でPERは421倍。
ぼくも将来性に期待して保有していましたが、ついに売却を決断しました。

売った理由は、割高感とインサイダー売却、そして「今の株価はすでに期待を織り込み済み」と感じたからです。
この記事では、パランティア株の最新状況、ぼくが売却した理由、そして今後の展望を投資経験者の視点でまとめました。
ぜひ最後までご覧ください。

※本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘を意図するものではありません。
投資に関する意思決定は、ご自身の判断と責任にてお願いいたします。

2025年6月25日追記:NATO会議でトランプ大統領の要請を受け、NATO加盟国の防衛費を5%まで引き上げる目標を採決することになりました。
このことにより、パランティアはもう少し株価が伸びる可能性が上がったように思います。

2025年6月現在のパランティア株はどうなっている?

※TradingView提供のチャート

株価は年初来+41%、年初来高値を更新中

2025年6月24日時点で、パランティア株(ティッカー:PLTR)は143.23ドルまで上昇し、年初来で約41%の上昇を記録しています。
年初来高値は6月24日の143.66ドルで、足元でも高値を更新中です。

パランティア株はAI需要の拡大や堅調な政府案件を背景に、今年に入ってから順調に株価を伸ばしてきました。
特に直近は、NATOとの大型契約が好感され、投資家の注目度が一段と高まっています。

PER421倍の超割高水準、調整リスクは?

ただし、現状のパランティア株はPER(株価収益率)が421倍と非常に高く、市場全体で見ても“超割高”の領域に入っています。
一般的にPERが高い銘柄は、将来の急成長を前提に株価が形成されているため、少しでも成長の鈍化や失望決算があると、大きな株価調整を招く可能性があります。

PER100倍でも割高とされる中、421倍という水準は「いくら業績が好調でもすでに期待が織り込まれすぎている」と見る投資家も少なくありません。

好調な業績でも株価は織り込み済みか?

パランティアは2025年1Q決算で、売上高は前年同期比+39%の8.84億ドルEPS(1株利益)は前年比2倍(0.08ドル)という好調な結果を出しました。
商業部門も前年比71%の成長を見せ、政府部門も引き続き安定して伸びています。

ただ、現在の株価はこの成長をすでにかなり織り込んでいるとも言えます。
これからの株価上昇には、「さらに上振れする業績」か「AI関連で圧倒的に強い市場シェアを取る」といった、もう一段のサプライズが求められるフェーズに入っているのかもしれません。

ぼくがパランティア株を売却した理由

黒転投資法の成功事例です。

高PERが示す「期待先行」に不安を感じた

ぼくがパランティア株を2025年6月に売却した一番の理由は、株価の割高感が限界に達したと感じたからです。
PERは400倍を超え、もはや業績の伸びよりも期待だけで買われているような水準に見えました。

もちろん、AIや政府案件でパランティアが将来も成長を続けることは理解していましたが、「この株価はちょっと出来すぎだな」と素直に思ったのです。

株式投資では「利益確定は悪ではない」とよく言います。
特に高PER銘柄は上昇スピードも早いですが、下落もあっという間です。
今回は、自分の中で「一旦ここで利益を確定しよう」という基準に達したタイミングでした。

インサイダー売却が相次いだことへの警戒感

さらに背中を押したのが、経営陣のインサイダー売却が続いていたことです。

  • CTOのサンカル・シャイアム氏が約56万株を売却
  • 取締役のアレクサンダー・ムーア氏が約8万株を売却
  • 他にも複数の役員が株式を手放していた

もちろん、これは事前に計画された売却(株式報酬の一部現金化)とされていますが、それでも「このタイミングで売っているのは偶然だろうか?」と感じてしまいました。

インサイダーの動きは株主にとって重要なシグナルの一つです。
業績が良くても、経営者自身が株を売ると、警戒するポイントとなります。

米国政府依存が大きい点と商業部門の成長リスク

パランティアの強みは政府契約にありますが、裏を返せば米国政府に依存したビジネスモデルでもあります。
政府案件は確かに安定していますが、政権交代や予算削減の影響を受けやすい側面もあります。

加えて、パランティアは商業部門を積極的に伸ばそうとしていますが、民間企業でパランティアの高価格帯サービスをどれだけ受け入れてもらえるかは、まだ読みづらい部分もあります。
AIブームで今は追い風ですが、競合の台頭や価格競争が激化すれば、成長が鈍化する可能性も捨てきれません。

パランティア株の今後はどうなるのか?

NATO契約やAI事業の拡大は追い風

パランティアは2025年に入り、NATOとの大型契約を獲得し、AIプラットフォーム「AIP」の提供を32カ国で進めるというニュースが大きく注目されました。

この契約により、世界規模でのパランティアのプレゼンスはさらに高まることが予想されます。
特に、国防・安全保障分野でのデータ解析ニーズは今後も増え続けると考えられ、パランティアの主力事業には引き続き強い追い風が吹いています。

Surf Air Mobility出資による新市場展開に期待

さらに、パランティアは航空モビリティ企業「Surf Air Mobility」へ約4.5百万株(19.9%)の出資を行い、データ活用の新たなフィールドにも進出し始めました。

この投資により、パランティアはモビリティ業界へのデータ解析サービス提供という新たな収益源を狙っており、これまでの政府・防衛依存型から、少しずつ事業の裾野を広げています。

もしこの取り組みが軌道に乗れば、将来的に民間分野の売上構成比が上がり、株価の評価も安定的に切り替わる可能性があります。

商業部門の年間10億ドル達成は株価維持のカギ

パランティアは現在、商業部門の年間売上が10億ドルの大台に到達しつつあります。
この商業売上は、AIプラットフォーム「AIP」を活用した企業向けソリューションの拡大によるものです。

ただし、これが今後も順調に伸び続けるかは注意が必要です。

  • 競合企業との価格・機能競争
  • 米国外での市場浸透率
  • 継続的な契約更新

これらの壁をクリアしなければ、現在の株価水準を正当化し続けるのは難しくなります。
株価を維持するには、“商業部門で継続的に大口契約を積み上げる”ことが絶対条件になるでしょう。

これからの投資判断とポジションの考え方

高値圏で買うリスクと、押し目待ちのスタンス

現在のパランティア株は年初来高値圏かつPER421倍という非常に高い水準にあります。

こうした場面で新規購入を検討する場合、リスクとリターンのバランスが崩れやすいのが難点です。
一時的な押し目が来たとしても、上昇トレンドが崩れれば、大きく調整する可能性も十分あります。

もしこれから買うなら、個人的には「しっかり押した場面で拾う」のが安全だと考えています。
高値圏で飛び乗るのはリスクが大きいと感じたのが、今回ぼくが売却を選んだ理由の一つです。

パランティア株を持つなら「長期」で見るべき理由

とはいえ、パランティアの将来性が完全に消えたとは思っていません。

  • 政府案件の強さ
  • NATOとの大型契約
  • 商業部門の拡大

こうした事実は間違いなく成長を支えています。

もしパランティア株を今後も持ち続けるのであれば、短期的な値動きに一喜一憂せず「5年以上の長期目線」で構えるのが良いスタンスだと考えています。
ぼくは「今は売り時」と判断しましたが、長期投資としてホールドする選択も合理的だと思える銘柄です。

ぼくが次に注目している投資先

パランティア株を売却した資金は、次の成長株やテーマ型ETFに再投資しようと考えています。
現在、個人的に注目しているのは以下のような銘柄・テーマです。

  • AIインフラ関連銘柄(例:コアウィーブ)
  • 水素関連ETF(例:HYDR)
  • 量子コンピューター関連銘柄(例:ionQ)

今回、パランティア株を売ったことで資金に余裕ができたので、次の成長トレンドに乗れる銘柄をじっくり探したいと思っています。

ぼくの実体験から伝えたいこと

利益確定は悪ではない、自分の基準を持とう

株式投資をしていると「売るのが怖い」「もっと上がるかも」と思いがちですが、利益確定は決して悪いことではありません。
今回、ぼくはパランティア株を売却しましたが、自分の中で「ここまで伸びたら一度売る」という基準をしっかり持っていたことが大きかったです。

株価は“まだ上がる”と感じる時こそ、一度冷静に見直すことが大事だと実感しました。

高PER銘柄との付き合い方、売り時の考え方

パランティアのような高PER銘柄は夢がある反面、急落もつきものです。
特に、期待で買われている銘柄は「良い決算を出しても株価が下がる」ことがあり、実際にパランティア株もそういう場面がありました。

ぼく自身、今回の売却を通じて感じたのは、“株価ではなく、自分の投資ストーリーが崩れたときに売る”ことが大切だということです。

  • PERが高すぎてリスクを取りすぎていないか?
  • 自分が想定した成長スピードと実際がズレていないか?

こういった判断軸を持つと、迷いなく行動できるようになります。

経験を活かし、次の投資に向けて資金を動かす

パランティア株の売却で得た資金は、次の有望株や成長テーマに再投資していく予定です。
投資は「終わりがない旅」のようなもので、売った後にどう活かすかも大切だと改めて感じました。
今回の経験は、次の銘柄選びや、リスク管理にも必ず役立つと思っています。

まとめ

パランティア株は、AIや政府案件を武器に成長を続ける魅力的な銘柄です。
ただ、2025年6月時点でPERは400倍超とかなり割高で、インサイダー売却も見られたことから、ぼくは一度利益確定する判断をしました。
株式投資は「いつ買うか」だけでなく「いつ売るか」も大事です。
大きく利益が出たときこそ、一度立ち止まり、自分の投資基準と向き合うことをおすすめします。
今後もパランティアの動向はチェックしつつ、次の投資チャンスを探していきたいと思います。

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