クリーンエネルギー投資の本命?HYDR ETFを分析

まぬるん

投資歴4年。米国株を中心に株式投資を行う。株や経済関係の本は300冊以上読破。独自の「黒字転換期」を狙った投資法を確立。投資4年で元手を3倍にする。

水素は“次世代のエネルギー”として世界中で注目を集めています。
そんな中、注目されているETFが「HYDR」。
水素関連企業にまとめて投資できるこのETFは、将来性を感じるテーマに乗りたい投資家にぴったりです。

「個別株は難しいけど、水素は今後間違いなくイノベーションを起こす」――そんなあなたに向けて、HYDRの特徴・構成銘柄・メリット・注意点まで、わかりやすく解説します。
今こそ、クリーンエネルギーの未来に目を向けてみませんか?

※本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘を意図するものではありません。
投資に関する意思決定は、ご自身の判断と責任にてお願いいたします。

HYDR ETFとは?基本情報と注目される理由

項目内容
ティッカーコードHYDR
運用会社Global X(Mirae Assetグループ)
上場市場NASDAQ(米国)
設定日(ローンチ)2021年7月12日
投資対象水素関連企業(製造、貯蔵、燃料電池など)
ベンチマーク指数Solactive Global Hydrogen Index
経費率(信託報酬)0.50%(年率)
配当利回り(参考値)0.85%(年によって変動)年に2回
構成銘柄数約30〜35社
主な投資地域アメリカ、カナダ、欧州(ノルウェー・ドイツ・イギリスなど)
2025年6月時点情報

HYDR ETF(Global X Hydrogen ETF)は、アメリカの運用会社Global Xが提供するテーマ型ETFで、「水素エネルギー関連企業」に特化して構成されています。
ティッカーは「HYDR」、NASDAQに上場しており、比較的新しいETFです。

水素は、温室効果ガスを出さないクリーンなエネルギー源として注目されており、再生可能エネルギーやEV(電気自動車)産業と並ぶ“脱炭素”のキープレイヤーとされています。
特に欧州やアジアでは水素エネルギーの国家戦略が進んでおり、グローバルでの水素需要は今後大きく伸びると期待されています。

HYDRはそのようなトレンドを捉え、「水素の生産・貯蔵・流通・燃料電池など」に関わる企業に投資。
つまり、将来性の高い業界全体に分散投資できる商品として、注目を集めています。

「水素に期待しているけど、個別銘柄はまだ赤字株ばかり」――そんな投資家にとって、HYDRは手軽でリスク分散もしやすい選択肢といえるでしょう。

HYDRの構成銘柄とセクター分布

HYDRは、水素関連ビジネスに取り組む世界中の企業30社以上で構成されています。
主に、水素の「製造・貯蔵・輸送・活用」に関わる企業が対象です。
上位構成銘柄(2025年6月時点)は以下の通りです。

銘柄名(企業名)比率国籍主な事業内容
Plug Power14.44%アメリカ燃料電池システム・水素供給
Bloom Energy10.85%アメリカ固体酸化物燃料電池の開発
SFC ENERGY AG-BR9.88%ドイツ燃料電池技術のリーディング企業
DOOSAN FUEL CELL CO LTD8.23%韓国大規模燃料電池システムの開発・製造
ITM Power6.96%イギリス電解水素製造装置の開発

構成銘柄の多くは、米国・欧州の企業が中心です。
特にアメリカが最も多くを占めていますが、ドイツやイギリスなどの水素先進国も含まれており、ある程度の地域分散も効いています。

セクター的には、「産業用機械」「再生可能エネルギー」「化学」「テクノロジー」などの分野が中心です。
つまりHYDRは、水素というテーマに沿いつつも複数の業種にまたがる分散投資が可能です。

ただし、水素分野はまだ成長途上であり、赤字企業やボラティリティの高い小型株も多く含まれる点は留意が必要です。

HYDRのメリットと注意点

HYDRは将来性のある水素産業に幅広く投資できるETFですが、メリットと注意点を理解したうえで投資判断をすることが大切です。

メリット①:成長分野への早期投資ができる

世界的に脱炭素・再エネ推進が進む中、水素は次世代のエネルギーとして注目されています。
HYDRは、その成長ストーリーに乗れるテーマ型ETFの一つです。
水素関連企業を個別に買うよりも、HYDRを通じて一括で投資できる点は大きな魅力です。

メリット②:分散投資でリスク軽減

構成銘柄が30社以上あるため、万が一、一部の企業が不調でも、ETF全体への影響を抑えやすいという特長があります。
個別株より値動きがゆるやかで、長期投資にも適しています。

注意点①:テーマ型ゆえのリスク集中

HYDRは「水素産業」に特化したETFです。
その分、産業全体の浮き沈みに強く影響を受けます。
テーマ型ETFは流行り廃りが激しいため、長期保有するなら定期的な見直しも必要です。

注意点②:ボラティリティが高い構成銘柄

水素業界は赤字企業が多く、実績より期待で評価されがちです。
そのため価格変動も大きく、短期的には値動きが荒くなる可能性があります。

HYDRの将来性と比較対象

水素市場の成長性

水素エネルギーは、今後の世界的な脱炭素政策の要ともいえる存在です。
国際エネルギー機関(IEA)によれば、世界の水素需要は2030年までに現在の2倍以上に拡大すると予測されています。
また、各国政府による支援も厚く、日本・欧州・アメリカなどが国家戦略として水素投資を進めており、市場規模の拡大はほぼ確実と見られています。

こうした背景を踏まえると、HYDRが投資する企業群は、長期的な追い風を受けやすいポジションにあるといえるでしょう。

他のクリーンエネルギーETFとの比較

HYDR ETFは水素に特化している点で他のクリーンエネルギーETFと差別化されています。以下に主な比較対象を示します。

ETF名テーマ主な構成内容
HYDR水素エネルギー特化水素製造・燃料電池企業など
ICLN再生可能エネルギー全般風力・太陽光・電力事業者など
QCLNクリーンテック全般EV・再エネ・スマートグリッドなど

ICLNやQCLNが“再エネの総合パック”であるのに対し、HYDRはよりニッチで先鋭的な投資テーマという位置づけです。
だからこそ、大きなリターンを狙える可能性もある反面、短期的な値動きの激しさには注意が必要です。

まとめ

HYDR ETFは、水素エネルギーという将来性の高い分野に幅広く投資できるユニークなETFです。
再エネや脱炭素が注目される中で、水素関連企業の成長を期待する投資家にとって魅力的な選択肢といえるでしょう。
もちろん、テーマ型ゆえのリスクもありますが、構成銘柄の分散性や世界的な需要拡大の動きは注目に値します。

個別株に不安がある方でも、ETFであればリスクを抑えながら未来のエネルギーに投資できます。
まずは小額から、未来の可能性に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

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